結論から言えば、居宅介護は仕事を諦める制度ではありません。
「親の介護が始まったら、今の仕事は続けられないのではないか」
そんな不安を抱えたことはありませんか。
とくに納期に追われる個人事業主にとって、在宅介護との両立は簡単な話ではありません。電話一本で仕事が止まり、夜中に様子を見に起きることもあります。
正直、先の見通しが立たず、ひとりで抱えているような感覚になることもあります。
いま私は、離島から親を呼び寄せ、介護認定の結果を待っているところです。
まだ答えは出ていませんが、制度を調べ倒したことで見えてきた『両立の羅針盤』を共有します。
ただ一つ分かってきたのは、居宅介護サービスをうまく使えば、すべてを自分で背負わなくて済むかもしれない、ということでした。
制度を学びながら試行錯誤している当事者として、介護とキャリアをどう両立させようとしているのか、その過程を整理してみます。
居宅介護の内容とは?制度の仕組みと施設介護との違い
仕事を続けながら親の介護を考えるとき、まず知っておきたかったのが「居宅介護」という仕組みでした。
正直なところ、私は最初、「家で介護する=ほとんど家族がやるもの」だと思い込んでいました。制度があることは知っていても、どこまで頼れるのかが分からなかったのです。
いまは一つずつ制度を調べながら、自分の生活にどう組み込めるのかを考えています。まだ試行錯誤の途中ですが、知る前と後では気持ちの重さがかなり違いました。
ここでは、居宅介護の内容(介護保険で使える居宅サービス)を整理します。
まずは、全体像をつかむところから始めます。
居宅介護とは?介護保険制度の基本
※この記事では「居宅介護=介護保険で利用できる居宅サービス(在宅で受けられるサービス)」として整理します。
居宅介護とは、要支援・要介護認定を受けた方が、住み慣れた自宅で生活を続けながら介護保険サービスを利用できる仕組みです。
正式には「居宅サービス」と呼ばれ、訪問型・通所型・短期入所型(ショートステイ)などを組み合わせて支援を受けます。
日本の介護保険制度は、40歳以上の国民が保険料を出し合い、介護が必要な方を社会全体で支える仕組み。
原則として利用者は、サービス費用の1割(所得により2〜3割)を負担するだけで済みます。
居宅介護の真の価値は、「必要なサービスを自由に設計できること」にあります。
「家族がすべてを担う」のが当たり前ではありません。専門職と役割を分担し、チームで在宅生活を支える。これが制度本来の姿です。
介護は「家族の覚悟」で乗り切るものではなく、冷静な「設計」でコントロールするものです。
制度を知らないままだと、不安は漠然とした恐怖でしかありません。
しかし、仕組みを理解した瞬間、不安は「どう組み合わせるか」という具体的な課題へと形を変えます。この意識の変化こそが、両立への大きな一歩となるのです。
介護保険制度の詳細は厚生労働省公式サイトでも確認できます。制度の最新情報は必ず自治体や公式情報で確認してください。
居宅介護と施設介護の違い
介護の選択肢は、大きく分けて「居宅介護(在宅介護)」と「施設介護」の2つです。
住み慣れた自宅で必要なサービスを組み合わせるのが「居宅介護」、施設に入所して生活全般のケアをプロに委ねるのが「施設介護」といえます。
両者の主な特徴を比較表にまとめました。
居宅介護の基本情報まとめ
| 項目 | 内容 | 具体的数値・条件 |
| 利用条件 | 要介護認定を受けていること | 要介護1〜5(※要支援は「介護予防サービス」) |
| 対象者 | 自宅で生活しながら介護サービスを利用したい人 | 65歳以上、または40〜64歳で特定疾病がある人 |
| 費用目安 | 利用するサービス内容・回数による | 月数千円〜3万円程度(1割負担の場合) |
| 自己負担額 | 原則1割負担(所得により2〜3割) | 例:月10万円分利用 → 1万円(1割の場合) |
| 支給限度額 | 要介護度ごとに上限あり | 要介護1:約167,650円/月
要介護5:約362,170円/月 |
| 利用条件 | 支給限度額の範囲内で利用 | 上限超過分は全額自己負担 |
※数値は2024年時点の目安(地域加算あり)
施設介護には「専門職に任せられる安心感」がある一方で、居宅介護は「生活環境を維持できる」反面、家族の関与が欠かせません。
ここで重要なのは、どちらが正解かではなく、「自分がどこまで介護に関わるか」を明確にすることです。
働く人にとっての「現実的な選択」
仕事を続けながら介護を担う場合、この選択はよりシビアな問題となります。
居宅介護は、サービスを柔軟に選べるメリットがある反面、戦略的に「設計」しなければ家族の負担が際限なく膨らみかねません。
対して施設介護は、家族の時間的負担を大幅に軽減できる可能性があるものの、待機期間や費用のハードルが存在します。
私自身、「自宅で支えるべきか」と何度も葛藤しました。感情だけで判断すると、「家族が自宅で看るのが当たり前」という固定観念に引きずられがちです。
しかし制度を正しく理解すれば、視点は「どうすれば持続可能か」へと変わります。
介護は長期戦。「理想の介護」よりも「破綻せずに続けられる形」を基準に選ぶことが、自分自身の人生を守る第一歩となります。
サービス利用開始までの4ステップ(申請〜ケアプラン作成)
居宅介護を利用するには、公的な手続きが必要です。
正直に言うと、私はこの「手続き」という言葉だけで気持ちが重くなりました。何から始めればいいのか分からなかったからです。
でも、流れを知ってからは少しだけ落ち着きました。やることは、実は決まっています。
ステップ1:市区町村への要介護認定申請
最初は、市区町村の窓口で「要介護認定」を申請します。地域包括支援センターや居宅介護支援事業所に代行をお願いすることもできます。
私は何度も「まだ早いのでは」と考えて、申請書を取りに行くのを先延ばしにしました。
でも、ある朝、母が同じことを三度聞き返してきたとき、これは準備を始めるタイミングなのだと思いました。
申請は「もう介護だ」と決めることではありません。
あくまで、備えです。
窓口で番号札を握って待っている時間は落ち着きませんでしたが、それでも一歩踏み出したという実感はありました。
ステップ2:認定調査と主治医意見書
申請後、調査員が自宅を訪れて聞き取りを行います。主治医の意見書も提出されます。
このとき難しいのは、「できていること」よりも「困っていること」を伝えることでした。
つい、「まだ自分でできます」と言いそうになる。
家族としては、どこかで認めたくない気持ちもあります。
でも、調査員が帰ったあと、「本当はもっと大変なんだけどな」と後悔するのは避けたかった。
だから、少し勇気を出して、夜間の不安や転倒しかけた話も伝えました。
正確に伝えることは、わがままではありません。必要な支援につながる大事な材料です。
ステップ3:要介護度の決定
後日、「要支援1〜2」または「要介護1〜5」の区分が通知されます。
この結果によって、利用できるサービスの上限額が決まります。
私は今、この通知を待っているところです。
ポストを見るたびに少し緊張します。
どんな結果であっても、それが今の現実。
そう自分に言い聞かせていますが、不安がゼロになるわけではありません。
それでも、次に何をするかは分かっています。
ステップ4:ケアマネジャーとの面談・ケアプラン作成
認定後は、ケアマネジャーと面談し、ケアプラン(介護サービス計画書)を作成します。
これは単なる書類ではなく、これからの生活の組み立てです。
「週に何回デイサービスを使うか」
「仕事の時間をどう確保するか」
そういった現実的な話を、具体的に決めていきます。
私は「仕事は続けたい」とはっきり伝えるつもりです。
正直に言えば、迷いもあります。でも、黙っていては何も変わりません。
「流れ」を知ると、少しだけ落ち着く
介護は、ある日突然始まるように感じます。
でも、制度の流れ自体は決まっています。
申請 → 調査 → 認定 → ケアプラン作成
今、自分がどの段階にいるのか。
それが分かるだけでも、頭の中の混乱は少し整理されます。
不安はまだあります。たぶん、これからもなくならないでしょう。
それでも、何も分からない状態よりはずっといい。
今は、とにかく一つずつ。
それだけを考えています。
今日できるチェックリスト
✅地域包括支援センターに連絡先を控える
✅主治医の病院名・診察券をまとめる
✅困りごとメモ(夜間/転倒/服薬)を作る
【全13種】居宅介護サービス一覧と働く人のための活用法
居宅介護サービスは、訪問型・通所型・短期入所型など、全部で13種類あります。
私も最初に一覧を見たとき、「こんなにあるのか」と戸惑いました。
名前が似ていて違いが分かりにくい。どれを選べばいいのか、すぐには判断できませんでした。
ただ、仕事を続けながら居宅介護を考えるなら、「全部を理解する」必要はありません。
大切なのは、自分の生活に合うものを絞ることです。
ここでは、13種類のサービスを整理しながら、働く立場でどう使えるのかを具体的に見ていきます。
居宅介護サービス13種類 活用早見表
| サービス名 | 分類 | 概要 | 働く人の活用ポイント |
| 訪問介護 | 訪問型 | 身体介護・生活援助 | 朝夕のケアを任せ、出勤時間を確保 |
| 訪問入浴介護 | 訪問型 | 自宅での入浴支援 | 介助による体力負担を劇的に軽減 |
| 訪問看護 | 訪問型 | 看護師による医療ケア | 専門判断を任せ、仕事に集中 |
| 訪問リハビリ | 訪問型 | 自宅で機能訓練 | 通院の付き添い時間を削減 |
| 居宅療養管理指導 | 訪問型 | 医師・薬剤師の指導 | 服薬管理の不安をプロが解消 |
| 通所介護(デイ) | 通所型 | 食事・入浴・レク | 日中の就労時間を丸ごと確保 |
| 通所リハ(デイケア) | 通所型 | 医療的リハビリ | リハビリと見守りを同時に実現 |
| 短期入所生活介護 | 短期 | 施設への宿泊 | 出張や繁忙期の強力なバックアップ |
| 短期入所療養介護 | 短期 | 医療対応型宿泊 | 医療ニーズが高い時期の安心確保 |
| 福祉用具貸与 | その他 | 車椅子・ベッド等の貸出 | 介助負担を物理的な仕組みで軽減 |
| 特定福祉用具販売 | その他 | 入浴・排泄用具の購入 | 必要機器を公費補助で導入 |
| 住宅改修 | その他 | 手すり設置・段差解消 | 転倒リスク軽減で日中の不安を払拭 |
| 居宅介護支援 | 調整 | ケアプラン作成・調整 | 全体調整を任せる |
居宅介護サービスは、大きく「訪問型」「通所型」「短期入所型」の3つに分類されます。いずれも要介護認定(要介護1〜5)を受けた方が対象で、原則1〜3割の自己負担で利用可能です。
支給限度額の範囲内であれば、複数のサービスを組み合わせることもできます。最初は名称だけでは違いを把握しづらいものですが、分類ごとの特徴を掴めば「今、どの支援が必要か」が見えてくるはずです。
訪問型サービス:自宅で受ける支援
専門職が自宅を訪れてサポートを行う形式です。外出が困難な状況でも利用できる点が最大のメリットと言えるでしょう。
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訪問介護(ホームヘルパー): 入浴・排せつの介助、掃除・洗濯などの日常生活支援
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訪問入浴介護: 専用設備を持ち込み、自宅での入浴をサポート
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訪問看護: 医師の指示に基づく医療的ケアや健康管理
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訪問リハビリテーション: 理学療法士等による機能維持・回復訓練
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居宅療養管理指導: 医師や薬剤師による療養上の管理・指導
※訪問介護(1回30〜60分)の自己負担目安は、1回あたり約250〜600円程度(1割負担の場合。内容により変動)です。
通所型サービス:施設へ通う支援
利用者が施設へ足を運び、食事や入浴、リハビリテーションを受けます。
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通所介護(デイサービス): 入浴、食事、レクリエーションなどの生活支援
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通所リハビリテーション(デイケア): 医療機関等でのリハビリに特化した支援
※デイサービスの自己負担目安は、1日あたり約700〜1,200円程度(1割負担・要介護度による)。別途、食費などの実費が必要です。日中にプロの手を借りる時間は、家族にとっても心身のゆとりを生む貴重な機会となります。
短期入所型サービス(ショートステイ):宿泊を伴う支援
数日間施設に宿泊し、生活支援や医療的ケアを受けます。
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短期入所生活介護: 福祉施設などでの生活支援
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短期入所療養介護: 医療機関などでの医学的管理を伴うケア
※1泊あたりの自己負担目安は約2,000〜4,000円(1割負担の場合)。別途、食費・居住費がかかります。介護者の体調不良や急な用事はもちろん、「介護疲れを防ぐための休息」としても有効な選択肢です。
その他の重要な支援
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福祉用具貸与・住宅改修: 車椅子のレンタルや手すり設置などの環境整備(住宅改修は上限20万円まで補助あり)。
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居宅介護支援(ケアマネジャー): ケアプランを作成し、全体の調整役を担う存在。利用者の自己負担は原則ありません。
すべてのサービスを完璧に覚える必要はありません。「どのサービスを導入すれば、本人も家族も生活が楽になるか」という視点で検討してみましょう。介護サービスは我慢して使うものではなく、生活を維持するために賢く頼るべき仕組みなのです。
仕事を守るためのサービスの組み合わせ方
居宅介護サービスは、種類を知るだけでは足りません。
どう組み合わせるかで、毎日の負担は大きく変わります。
とくに仕事を続けたいなら、「親のケア」だけでなく、「自分が働く時間をどう確保するか」を同時に考える必要があります。
サービスは「時間」で考える
制度上、訪問介護やデイサービス、ショートステイは組み合わせが可能です。
私が意識し始めたのは、「何を使うか」よりも「どの時間を空けたいか」という考え方でした。
・平日の日中にデイサービスを入れて、まとまった作業時間をつくる
・週1回の訪問介護で、家事の負担を少し軽くする
・月1回のショートステイを入れて、自分の休む日を先に決めておく
最初は「そこまで頼っていいのか」と迷いました。
でも、何も入れずに回そうとした週は、きついのがわかりきっていること。
「全部やる」が一番危ない
家族として、「自分でやったほうが早い」と思う瞬間は何度もあります。
私もそうです。
けれど、それを続けると、気づかないうちに仕事の時間が削られていきます。
収入が減れば、選べる選択肢も減ってしまう。
介護がいつまで続くかは分かりません。
だからこそ、最初から無理をしすぎないことが大事だと感じています。
完璧よりも「続けられる形」
- 親の希望
- 自分の仕事
- 家計の状況
- 体力や気力
全部を満たす正解は、たぶんありません。
それでも、「なんとか回せる形」を探すことはできる。
私もまだ途中ですが、組み合わせを具体的に考え始めてから、漠然とした不安は少し減りました。
介護は我慢比べではなく、調整の連続なのかもしれません。
ケアマネジャーに仕事の状況をどう伝えるか|居宅介護で両立するためのポイント
居宅介護サービスを現実的に活用するうえで、重要な存在がケアマネジャーです。
ケアマネジャーは利用者の状況をもとにケアプランを作成し、デイサービスや訪問介護の組み合わせを調整してくれます。
ただし一つ大事なのは、こちらが伝えなければ仕事の事情は伝わらないということです。
仕事と介護を両立したい場合、面談の段階で就労状況を具体的に共有する必要があります。
「仕事を続けたい」は遠慮しなくていい
働きながら介護をする場合、
繁忙期は動けない
収入を減らせない
週に1日は完全に休みたい
こうした本音を言いにくいと感じることがあります。
ですが、介護は長期戦です。
最初に無理を前提にしたケアプランを作ってしまうと、後から調整が難しくなります。
「仕事を続けたい」という希望は、わがままではありません。
ケアプランを現実的にするための前提条件です。
面談で伝えておきたい3つのことがあります。
就労スケジュール
具体的な勤務時間、在宅か出勤か、繁忙期の時期など。
時間帯が分かれば、デイサービスや訪問介護の配置が調整しやすくなります。
費用の目安
介護保険は原則1割負担(所得により2〜3割)ですが、自己負担の上限を決めておくと安心です。
無理のない範囲を共有しておくことが大切です。
自分の限界ライン
・夜間対応が続くと仕事に影響が出る
・週に1日は完全に休みたい
こうした条件は、最初に伝えておくほうが後々楽になります。
ケアプランは「一緒に作る」もの
ケアマネジャーは専門家ですが、あなたの生活そのものを知っているわけではありません。
「仕事を続けながら介護をしたい」
その前提をはっきり伝えるだけで、プランの組み立て方は変わります。
居宅介護は、一人で抱え込む仕組みではありません。
ケアマネジャーとの対話を重ねながら、現実に合った形を探していくことが大切です。
要介護認定待ちの間にできる準備|居宅介護をスムーズに始めるために
要介護認定の結果を待つ時間は、思っていた以上に落ち着きません。
居宅介護の制度を調べ、サービスの種類を理解しても、「実際にどの支援が使えるのか」は結果が出るまで分からないからです。
それでも、何もせずに待つのはやめようと思いました。
いま私がしているのは、認定前でもできる準備を少しずつ進めることです。
・住環境の安全確認
・地域包括支援センターへの相談
・仕事のスケジュールの見直し
・デイサービスや訪問介護の情報収集
結果がどうなるかはまだ分かりません。
ですが、「動けることは動いている」という実感があるだけで、不安は少し軽くなります。
介護は突然始まるかもしれません。
けれど、自分の仕事や生活まで同時に止める必要はありません。
ここからは、介護認定待ちの間に実際に取り組んでいる準備について、具体的にまとめていきます。
まずは、呼び寄せ後の住環境から整えていきました。
呼び寄せ介護の現実と住環境の整備
離島で暮らしていた親を都市部へ呼び寄せる。
その決断は、思っていた以上に重いものでした。
「本当にこれでいいのか」
「環境が変わることで、かえって混乱しないか」
引っ越しの準備を進めながらも、何度も立ち止まりました。
今でも、迷いが完全になくなったわけではありません。
それでも、将来の通院のしやすさや支援の受けやすさを考え、環境を整える方向に動き出しました。
実際に取りかかったのは、こんなことです。
・室内の動線を見直す(段差や滑りやすい場所の確認)
・手すり設置など住宅改修の制度を調べる
・夜間や外出時の見守り方法を考える
・地域包括支援センターに事前相談する
細かいことばかりですが、ひとつずつ進めています。
同時に考えたのは、自分の仕事環境でした。
仕事部屋は保てるか。
急に呼ばれたらどうするか。
オンライン会議中に対応が必要になったら。
正直、完璧な答えは出ていません。
それでも、「考えている」「備えている」という実感があるだけで、以前ほどの無力感はありません。
介護の準備は、親のためだけではなく、自分の生活を守る準備でもある。
最近は、そう考えるようになりました。
介護を“チーム戦”に変えるという考え方
以前の私は、「家族なのだから自分がやるしかない」と思い込んでいました。
誰かに任せることは、どこか後ろめたい気もしていたのです。
でも制度を調べ、ケアマネジャーや支援機関の話を聞くうちに、少し考えが変わりました。
介護は、一人で抱え続ける前提でできている仕組みではないのだと分かってきたからです。
役割を分けて考える
今は、こんなふうに整理しています。
・公的制度に任せられる部分
・ケアマネジャーに相談できる部分
・ヘルパーなど専門職にお願いする部分
・家族が判断する部分
・そして、自分が担う部分
全部を自分でやらなくてもいい、と頭では分かっても、気持ちはすぐには追いつきません。それでも、役割を書き出してみると、「一人で背負っている」という感覚は少し薄れました。
罪悪感との折り合い
「もっと自分がやるべきでは」と思う瞬間は、今もあります。
仕事を優先しているように感じる日もあります。
それでも、仕事を続けることは逃げではないと考えるようになりました。
収入の問題だけでなく、社会とのつながりや、自分の気持ちを保つ意味でも大切だからです。
覚悟よりも、仕組み
介護というと、覚悟や献身といった言葉が浮かびます。
でも、気持ちだけで続けるのは難しい。
今の私にできるのは、
・制度を知る
・任せられる部分を見つける
・自分の限界を認める
・完璧を求めすぎない
その積み重ねくらいです。
介護が始まっても、人生の他の部分まで止めなくていい。
まだ手探りですが、そう思いながら進んでいます。
在宅介護と仕事を両立するための工夫|居宅介護だけでは足りない部分を補う方法
居宅介護サービスは、在宅介護を支える大切な仕組みです。
デイサービスや訪問介護を組み合わせれば、仕事と介護の両立は現実的になります。
それでも、制度だけでは足りないと感じる瞬間があります。
夜中に物音がして目が覚めること。
急な体調変化で予定を組み直すこと。
仕事に集中していても、どこか気持ちが落ち着かないこと。
こうした不安や疲労感は、介護保険のサービス枠だけではカバーしきれません。
だからこそ今、私が意識しているのは「制度+自分なりの工夫」という考え方です。
たとえば、
・見守り機器やチャットツールなどデジタルの活用
・仕事のスケジュールにあらかじめ余白日をつくる
・月に一度は完全に休む日を決める
大きな解決策ではなくても、こうした小さな調整が積み重なると、在宅介護と仕事のバランスは少し安定します。
介護を「耐えるもの」にしないこと。
制度を土台にしながら、自分の生活も守る方法を探すこと。
ここからは、制度ではカバーしきれない部分をどう補っているのか、私なりの具体例をまとめていきます。
スマホ・見守りツールの活用|在宅介護の不安を減らす方法
居宅介護の制度は、在宅生活を支える大きな仕組みです。
しかし、デイサービスや訪問介護の時間外に感じる不安まではカバーできません。
たとえば、
・外出中に「ちゃんと家にいるだろうか」と気になる
・夜中の物音に目が覚める
・仕事中もどこか落ち着かない
こうした不安を少しでも減らすために、私は在宅介護向けの見守りツールを取り入れ始めました。
見守りカメラやGPSの活用例
最近は、スマホで確認できる介護用の見守りカメラやGPSサービスも増えています。
・見守りカメラ:外出先から室内の様子を確認できる
・GPSサービス:外出時の位置を把握できる
・服薬管理アプリ:飲み忘れを通知してくれる
・家族共有アプリ:スケジュールや体調を共有できる
正直に言えば、最初は「そこまで必要だろうか」と迷いました。
ですが、実際に使い始めてみると、「ずっと見張る」状態から「必要なときに確認できる」状態に変わっただけでも、気持ちはずいぶん楽になりました。
デジタルは“代わり”ではなく“補助”
見守りカメラやGPSがあれば安心、というわけではありません。
それでも、
不安をゼロにするのではなく、少し減らす
自分の負担を全部背負わない
という意味では十分に役立っています。
居宅介護の制度で生活を整え、
デジタルツールで不安を軽くする。
その積み重ねが、仕事に集中できる時間や、自分の休息時間を生み出してくれます。
頑張るより「仕組みを増やす」
介護が始まると、「もっと自分が頑張らなければ」と思いがちです。
でも、気力には限界があります。
制度を使うことも、見守りツールを使うことも、どちらも“手を抜く”ことではありません。
在宅介護を続けるための環境づくりです。
完璧でなくてもいい。
一つでも「自分を助ける仕組み」を増やせば、それだけで負担は軽くなります。
介護中でも「自分の時間」をつくる方法|在宅介護の隙間時間活用
在宅介護が始まると、生活の中心はどうしても親になります。
予定は変わりやすく、長時間の外出や遠出は難しくなります。仕事以外の時間も、どこか気が休まらない状態が続きます。
そんな中で私が考えたのは、「家にいながらできることは何か」ということでした。
いま取り入れているのは、ほんの短時間でも「自分のためだけの時間」を確保することです。
- 夜、親が眠ったあとの静かな時間
- 予定と予定のあいだの20分
その時間に、デジタルツールやAIを使って情報整理をしたり、音楽を作ったりプログラミングしたり、小さな実験をしています。
大きな成果が出ているわけではありません。
収入につながる保証もありません。
それでも、「学んでいる」「試している」という感覚は、介護だけに生活が埋め尽くされるのを防いでくれます。
介護中のストレス対策というと、休息やリフレッシュが中心になりがちです。
もちろんそれも大切です。
でも私にとっては、「何かを前に進めている感覚」が、心の安定につながっています。
制度で生活の土台を支えながら、
隙間時間を活用する
家の中でできる学びを持つ
将来につながるかもしれない種をまく
それだけでも、「介護が始まったから人生が止まった」という感覚は薄れていきます。
大きな一歩でなくてもいい。
今日の30分が、未来への小さな余白になると信じています。
まとめ:居宅介護は『人生を止めない』ための選択肢
ここまで、居宅介護サービスの種類や利用の流れ、仕事と両立するための組み合わせ方について整理してきました。
あらためて感じているのは、介護は「覚悟」だけで乗り切るものではない、ということです。
居宅介護サービスには13種類があり、申請からケアプラン作成までの流れも明確です。
さらに、ケアマネジャーという相談役もいます。
つまり、在宅介護は仕組みの中で支えられる前提でつくられています。
仕事を続けながら介護をする場合、大切なのは「親のため」だけでなく、「自分の生活をどう守るか」という視点です。
- デイサービスで日中の時間を確保する
- 訪問介護で家事負担を減らす
- ショートステイで休息日をつくる
こうした具体的な組み合わせが、仕事と介護の両立を現実的なものにします。
それでも制度だけでは足りない部分はあります。だからこそ、小さな工夫や隙間時間の活用が意味を持ちます。
制度で生活の土台を支える。
工夫で心の余白をつくる。
大きな理想を掲げなくてもかまいません。
「今週を回せる形」をつくること。その積み重ねが、結果的に人生を止めないことにつながります。
私自身、まだ途中です。
正解が分かっているわけでもありません。
それでも一つ言えるのは、居宅介護の内容を知るだけで、不安は「得体の知れないもの」から「対処できる課題」に変わるということです。
もし今、在宅介護と仕事の両立に不安を感じているなら、まずは制度を知ることから始めてみてください。
介護が始まっても、人生まで止める必要はありません。
使える仕組みを使いながら、自分なりの形を探していけばいいのだと思います。
※制度やサービスは自治体・要介護度・状況により異なるため、詳細はお住まいの自治体窓口や地域包括支援センター、担当ケアマネジャーにご確認ください。
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